現状では快適な生活を遅れているはずなのに、不安しか叫ばれない日本人の心に何が起きているのか知りたくて買いました。
以下の構成で展開されております。
第一章 「心がけ」では何も変わらない!
日本人お得意の精神論は思考停止と変わらない。いじめがお説教ではなくならない理由など。
第二章 「日本人らしさ」という幻想
みんな大好き”日本人らしさ”などというのはなくて、社会を生き抜くための戦略であった。
自己卑下の文化。でも日本人の中には別のものがある。
第三章 日本人の正体は「個人主義者」だった!?
他人を信頼していない日本人。
第四章 日本人は正直者か?
集団主義社会は他者を信頼せずに暮らせる社会。ゆえに日本人は人を信頼しない。
第五章 なぜ、日本の企業は嘘をつくのか
日本社会の変化についていけないのか?
社会構成ゆえに互いを関し合う前提で生活してきた日本人にとって正直は美徳でなかった。
叩かれるよりは偽装隠蔽 した方がいいという思考。
第六章 信じるものはトクをする?
なぜ、アメリカ人は他人を信用するのか?
第七章 なぜ若者たちは空気を読むのか
集団主義社会では人間関係を読む力が必要になる。
社会構成が変わっているのに、
日本人は状況に対応する心の”道具箱”の再配置がうまく行われていないと思われる。
=信頼性を検知するツールを優先すべきときに、
関係性検知能力というツールしか持たないので対応できない。
本来ならば、安心社会の崩壊は既得権益を持った大人たちの危機であり、
信頼社会の成立は未来ある若者たちにとっての福音であるはず。
第八章 「臨界質量」が、いじめを解決する
「いじめ」のメカニズムは多数決であって、賛同者と反対者と傍観者のわりあいで決まる。
臨界域を超えると全体が一気に変わる。
第九章 信頼社会の作り方
第十章 武士道精神が日本のモラルを破壊する
日本人が一気に変われるというのはこういう仕組みであったかと納得できる本でした。