専門外なんであまりやりたくなかったオイルジャッキのオーバーホール。

建設機械でシリンダーの修理をしていた流れでやりました。

エナーパックのRC506という50Tジャッキなんですが、まず構造が分からないのでメーカーのHPを探したら図面がありました(RC506海外製はこの辺が親切です)。

構造は分かったので、例によって分解方法をGeminiに聞くと、中のスプリングのテンションが問題らしい。

油圧を抜いた時に戻るための力は中の強力なスプリングで行いますとの事だけど、少しのテンションをかけてあるので、バラす時にそれが固定ネジの山を痛める原因になるとか。

バネに打ち勝つ程のテンションに耐えるネジとネジ山なら容易には壊れそうもないけど、要は無理やりねじ込んでいくとネジ山を痛める可能性がありますということか?

実際後でやってみるとすんなりいけましたが、なにか見落としがあるのではないかと不安になりました。

ともあれ、問題は部品がないことでした。

ネットで探し回って見つからないので、シール類を外してみて現物合わせのところに送ってみてもアメリカ規格のため、互換シールもありませんとのこと。

やっと見つけたのがエナーパックの代理店で山下マシーン株式会社様。

HPから問い合わせてシールキットを手配してもらいました(ここまで半月)。

発注して部品が来るまで3週間ちょいかかりましたが、相手がアメリカ様であることを考えるととても速いです。

バラす時に戻りますが、Geminiによると、

「エナパック公式マニュアル:分解手順(スプリング脱着セクション)
⚠️ 警告(WARNING)
「シリンダー内部の戻りスプリングには、プランジャーが完全に縮んだ状態であっても、常に非常に強い初期張力(プリロード)がかかっています。適切な指示に従わず、または専用の保持治具を使用せずに底面の固定ボルトや上部のストップリングを緩めると、部品が凄まじい力で弾け飛び、重大な人身事故や怪我を負う危険があります。作業時は必ず保護メガネを着用してください。」
【分解のステップ(マニュアル規定手順)】
プリロード(張力)の解除
シリンダーを適切にセットし、油圧ラム(または門型プレスや専用の長ネジ治具)を使用して、プランジャーを約1/4インチ(約6mm〜10mm)下方に押し下げて保持します。
[理由] これにより、内部の引き込みスプリングがたるみ、シリンダー底面にあるスプリング固定ボルトにかかる荷重が完全にゼロになります。
底面ボルトの取り外し
プランジャーを押し下げた状態を完全に維持したまま、シリンダー底面にあるソケットヘッドスクリュー(12番/14番の六角穴付きボルト)と銅ワッシャーを取り外します。
[状態] バネのテンションが抜けているため、ボルトは無理な力をかけずに安全に抜き取ることができます。
バネ圧の安全な解放
底面のボルトが完全に抜けたことを確認した後、プランジャーを抑えているプレス(または治具)をゆっくりと、元の位置まで上昇させて戻します。
[状態] これにより、内部のスプリングが本来の「縮んだ自由長(張力ゼロの状態)」まで安全に戻ります。
ストップリング(上蓋)の取り外し
シリンダーベースを万力などで確実に固定します。
ストップリングの回り止め(かしめ・ポンチ跡)がある場合は、ドリル等で優しく揉んで解除します。
パイプレンチまたは専用のレンチを使用し、ストップリングを反時計回りに回して、シリンダー本体のネジ山から完全に外します。
プランジャーおよびスプリングの引き抜き
ストップリングが外れたら、プランジャー一式を上方に引き抜きます。これで内部のスプリング(10番)がプランジャーと一緒にシリンダー外へと安全に抜けてきます。この後、目的のピストンシール(パッキン)の現物を取り出すことができます。
まとめ
この公式手順通り、「まず5〜10mm押し下げてから底面のネジを抜き、それから圧力をゆっくり抜く」という流れを踏めば、門型プレスの上下ストロークが小さくても、全く安全にバラすことが可能です。」


この通りやろうとしたけど、門型プレスでテンションかけてもシリンダーは下がりません。

それもそのはずで、穴から覗くと、シリンダーの底がチューブの底面に当たっている!

8


ヲイヲイ!

無理したら壊れるやんか!

ということで、そっと上下のボルトを緩めたらスプリングも素直に外れたのでした。

次に戸惑ったのが、上部のストップリング。

回せばいいんだけど、工具がない。

1


当然こんなちゃちな事では外れません。

前に買ってたこれが役に立ちました。

Y タイプフライホイールレンチベルトディスク磁気固定クリップフライホイールキャリパークラッチフライホイールプーリースプロケットスパナスクーター原付用(名前が長いが本当の名前は??
10


穴に合わせて少し削る必要がありましたが。

トルクはそんなに必要もなかったけど、ネジロックが塗ってあった気がします。
マニュアル見ても塗るように書いてますね

組む時に締め付けトルクで締めるのは無理なんで、元の場所に黄色で印をつけました。

2


無事に外れたんで、ダストシールのリップの向きを確認(外からゴミが入らない向きに付いてますね)。

3


シリンダーのシールも、油に向かってリップが開く方向に付いてます。

4


長く放置していたようで、チューブの中がサビで、指で触るとガサガサって感じるくらいに荒れてました。

ので、準備していたホーニングツールで油に浸けながら軽くホーニングしました。

5


6


あまり削ると怖いんだけど、指に引っかからない程度までつるつるに。

問題だった中央に見える戻り用のスプリングですが、周囲の面から数ミリ程度中に入っている感じでしょうか。

これくらいなら組むときにもネジの締付けで引っ張れそうです。

しかし、Geminiよ、この構造でどうやってプレスでこの中のスプリングだけを下げろっていうのか??

7


シールに油を塗って、ちぎれないように2本の小さなマイナスドライバーを使ってリップの向きにも気をつけて組付け完了です。

9


組付けはバラシの逆工程で。

指定の作動油はVG32でいいらしいです。

組んだあと作動油を満たさないといけないのかと思ったけど、組む時に中に塗る程度で上げ下げするとエア抜きもできるらしいです。

確かにキットにエア抜き穴のスポンジも付いておりました。

11


シールキットは数万円しますが、プラスチックカバーとかボルトセットも付属していて、互換製品で済ませるよりもずっと安心感がありますね。

採算がとれないのか、簡単に「その部品はありません」とか、なしの礫で済ませるような風潮がありますが、この辺をしっかりしてくれる所の情報を探してキャッチするのがこれから生き残るための鍵ではないかと思います。

ちなみにクイックコネクタはこれを使いました。

12


まあ、専門外の修理はあんまりやりたくないというのは本音ですが、チャレンジ精神も必要ですしね。